シュレッダーブレードとは?
シュレッダーブレードは、通常のチップソーやナイロンコードでは対応しにくい、しつこく伸びた太い雑草や、幹の硬い低木、さらには若い竹のような草本植物までを、効率的かつ安全に処理するために開発された、非常に頑丈な金属製の2枚刃です。特徴的なのは、刈ると同時に細断(シュレッド)する性能を持っている点で、作業後の仕上がりもきれいになり、後処理の負担を大きく軽減できます。
また、このブレードは高速回転による慣性の力をうまく活かして、太い茎や枝も押し切るようにカットします。そのため、使い方次第では通常のチップソー以上にパワフルで、効率よく広範囲を短時間で刈り取ることが可能です。STIHL製品ではFS 311といったクリアリングソーモデルがあり、ヨーロッパや北米を中心に林業・造園業界のプロフェッショナルから高い信頼を集めています。
さらにこのブレードは、刃先の形状や重心バランスが精密に設計されているため、長時間の作業でも疲れにくく、初心者でも安定して扱いやすい点が特徴です。国内でも山林や耕作放棄地の再生作業において、一般家庭のみならず自治体や農業法人による導入が進んでいます。

シュレッダーブレードは非常に危険なものであることはしっかり頭に入れておいてください



だから色々と条件を設けて取り付けられる機種を絞っているんだね
対応機種と推奨エンジン出力
STIHL


- 推奨排気量:30cc以上の中〜大型機種
- 対応モデル(例):STIHL FS 311、FS 460 C-EM、FS 510、FS 561 C-EM など(日本国内ではFS 311のみ販売)
- ブレード穴径20㎜で25.4㎜の機種への装着は禁止です。(安全上、リングも販売していませんでした)
- シュレッダーナイフ用のデフレクター(ガード)は装着必須です
生い茂った硬い草や低木の間引きおよび除去用。イバラやツル類の茂みの刈り込みにも使用できます。
出典:STIHL公式サイト
オレゴン(OREGON)




オレゴンの2枚刃、3枚刃のシュレッダーブレードは穴径20mmで25.4→20㎜の変換リングが付属さていました。竹や木の切断には使用しないでください、キックバックが発生した場合には取り付けボルトが緩んでいないか確認くださいなどの文言が書かれていました。直径300mm、厚さ3.0mmまたは4.0mmのバリエーションがあります。
マキタ
MUR012G用のシュレッダーブレードが販売されていたはずなのですが、5/14現在はマキタのホームページから商品を確認することができなくなっております。そのため今回はご紹介するのは控えることにいたしました。
シュレッダーブレードの正しい使い方
準備と装着
- 作業開始前には、使用するシュレッダーブレードが装着可能な機種であることを確認します。
- 刈払機のエンジンを完全に停止させ、熱が引いてから作業を開始してください。火傷や回転部によるケガを防ぐために、必ず冷えた状態で行います。
- ブレード装着時は、付属の締め具・ナット・ワッシャーを正しく使用し、規定トルクでしっかりと固定します。
- 回転方向の矢印とエンジンの回転方向が一致しているかを再確認してください。逆に装着すると、振動が大きくなり破損や事故の原因となります。
- 装着後は軽く手回しで回転チェックを行い、異音やブレがないことを確認しましょう。固定具のゆるみや部品の欠損がある場合は必ず修理・交換してください。
作業姿勢と操作方法
- 作業中は姿勢を低く保ち、刃先が常に腰の高さ以下になるよう意識してください。高い位置で操作すると、跳ね返りや飛散のリスクが高まります。
- 刈払機を身体の中心から斜め前に出すように構え、左右にリズミカルにスイングさせて草を刈り取ります。力を入れすぎず、ブレードの回転に任せるのがコツです。
- 根本から一気に切ろうとせず、葉や枝を段階的に削ぎ落とすように少しずつ当てていきます。
- 地面の凹凸や隠れた石などにも注意し、常に状況を確認しながら操作してください。手元や足元にも注意を払い、安全に作業を行いましょう。
効率を上げるテクニック
- 草が密集している場合、一気に切ろうとせず、上から数段階に分けて刈るようにすると刃への負担が軽減されます。
- 無理に地面ギリギリを狙って削ると、ブレードの先端が地面や石に当たって破損しやすくなります。必要に応じて高さを調整しましょう。
- ブレードが太い枝にぶつかると、強く跳ね返ることがあります。あらかじめ周囲を観察し、無理に突っ込まず、時間をかけて処理してください。
- 作業前に草の状態を観察し、どの方向から攻めると効率が良いか計画しておくことも、作業時間の短縮につながります。
- 日陰のうちに難所を終わらせるなど、作業順序を工夫することでも疲労を減らせます。
よくあるトラブルと対策
トラブル内容 | 原因 | 対策 |
---|---|---|
刃が外れる | ナットの緩み | 使用前後に締め付け確認 |
作動時にブレる | 装着ミスまたは変形 | 正しい締結とブレードの点検 |
エンジンが止まる | 過負荷 | 無理な押しつけを避ける |
振動が強くなる | 刃の片減り、バランス崩れ | 研磨または交換で対処 |
刃の削れが早い | 地面との接触過多 | 適切な高さで作業する |
使用時の安全対策
必ずフェイスシールドまたは防護ゴーグルを装着し、飛来物や粉塵から目や顔を保護します。加えて耳栓やイヤーマフの使用も推奨されます。
飛散物によるケガを防ぐため、長ズボン・厚手の作業着・耐切創手袋を着用してください。可能であれば耐切創パンツやプロテクター付きの作業着を用意しましょう。
ハーネスで機体を安定させ、機械の重さが身体の一点に集中しないように分散することで、腰や肩への負担を軽減し、長時間の作業でも疲労を抑えられます。
作業場所には「立入禁止」の表示やカラーコーンなどを設置し、半径10m以上の安全範囲を確保してください。とくに公共の場所では第三者の接近に注意が必要です。
作業中に人や動物が近づいた場合は、即座にエンジンを停止し、再び安全を確認してから再開するようにしましょう。
斜面や足元が不安定な場所では滑落や転倒の危険があるため、安全靴や滑り止め付きの長靴を使用し、作業前に地形をチェックしておくことが重要です。
緊急停止スイッチの位置や使い方も事前に確認しておき、万が一のトラブル時にも迅速に対応できる準備を整えましょう。
メンテナンスと保管方法
作業後は必ずブレード全体を確認し、付着した草や樹液、泥などをウエスやブラシで丁寧に取り除きましょう。汚れがこびりついている場合は、中性洗剤を使って水洗いし、その後しっかりと乾燥させてから防錆スプレーでコーティングします。
ブレードの先端が摩耗していると切れ味が落ち、機械に余計な負担がかかるため、定期的な目視点検を行い、必要に応じて交換または専門の研磨工具で研ぎ直しましょう。摩耗の程度に応じて、片側だけでなく両側のバランスを保つように調整することも重要です。
保管時は直射日光や高湿度を避け、できれば風通しの良い屋内で保管します。ブレードは刃物ですので、専用のブレードケースやカバーを使用し、他の工具や部品と接触して傷が付かないよう注意しましょう。湿気対策として防湿剤を置いておくのも効果的です。
長期間使わない場合は、グリスアップや分解清掃も検討し、錆や固着を防ぐことが大切です。
STIHL公式動画から学ぶ実演ポイント
Stihl FS 511-C × Shredder Blade 実演動画(YouTube)
この動画では、STIHL製FS 511-Cに320mmのシュレッダーブレードを装着した実演が紹介されています。注目すべきは、その作業対象が単なる草ではなく、低木や灌木といった“木質”の植物であるという点です。これはシュレッダーブレードの高い切断力と粉砕能力を象徴しています。
まとめ


シュレッダーブレードは、パワフルな草刈りを可能にする一方で、正しい知識と安全対策が不可欠なアタッチメントです。初心者は必ずマニュアルや公式動画を確認し、適切な道具と服装で挑みましょう。
プロの現場でも愛用されるこのブレードを、安全かつ効果的に使いこなして、草刈り作業をもっと楽に、効率的に仕上げましょう。定期的なメンテナンスと技術の習得によって、長く安心して使い続けることができます。
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