家庭菜園や芝生の手入れをしていると、ある日突然「土が盛り上がっている」「植物が枯れてしまった」などの異変に気づくことがあります。そんな時に疑われるのが「モグラの仕業」です。モグラは地中でトンネルを掘り進み、根を持ち上げたり周辺の生態系を乱したりして、見た目だけでなく作物の生育にも悪影響を与えます。
しかし、農薬や超音波機器といった本格的な対策は高価で手を出しにくいという方も多いでしょう。そこで今回は、100均グッズを使って誰でも簡単にできるモグラ対策・退治方法をご紹介します。この記事では、モグラの生態や被害の特徴、ペットボトル風車の作り方、効果の検証までを徹底解説します。費用をかけずにすぐ始められる方法を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
モグラの生態と被害の特徴を理解する

モグラは何を食べてどこに住む?
モグラは主に昆虫を食べる生き物で、特にミミズや昆虫の幼虫などを好んで捕食します。モグラは視力がほとんどない代わりに嗅覚と聴覚が非常に優れており、獲物の動きを地中の振動で察知します。生活圏は地中で、掘り進めるトンネルには「本線」「支線」「採餌トンネル」などの構造があり、非常に複雑な巣穴を作り上げています。特に活発に活動するのは朝夕の時間帯で、天候の変化にも敏感です。そのため、気圧の低下や雨の前後には活動が活発になる傾向があります。
このトンネルの掘削能力は驚異的で、1日に100m以上掘り進めることもあるとされており、わずか1匹のモグラでも広範囲に影響を及ぼす可能性があります(参考:農研機構「モグラ被害の実態と対策」)。
モグラによる被害の種類とは?
モグラは直接植物の根を食べることはありませんが、地中を掘り進める行為そのものが問題になります。特に植物の根が浮いてしまうことで水分や栄養を十分に吸収できず、結果として植物が枯れてしまうことが多々あります。
また、モグラが掘ったトンネルは他の害獣(ネズミやヘビなど)の通り道にもなりやすく、二次的被害を引き起こすこともあります。さらに、芝生や畑に盛り上がった土(いわゆるモグラ塚)が発生することで、美観を損ねるだけでなく、芝刈り機や農機具の使用時に支障をきたす可能性もあります。これらの理由から、早期の対策が必要不可欠となっています。
モグラ対策には100均アイテムが使える!

コストを抑えた対策のメリット
本格的なモグラ撃退器は5,000円以上することもありますが、100均アイテムを使えば数百円で自作可能です。特に家庭菜園や小規模な庭であれば、市販の高額な装置に頼らなくても、十分に自作で対応できます。100均で手に入る材料を使うことで、低コストかつエコな方法でモグラを遠ざけられるのが大きな魅力です。
また、DIYによって自分の庭や設置場所に合わせて形状や仕組みを調整できるため、既製品よりも柔軟な対応が可能です。モグラが嫌がる振動や音を生む仕組みを自分なりに工夫する楽しさもあり、家族や子どもと一緒に工作を楽しむという副次的なメリットもあります。
用意するもの(すべて100均でOK)
- ペットボトル(500mlサイズ)
- 割り箸または竹串
- カラーテープ(反射テープでもOK)
- ハサミ、穴あけ用のキリ
- 風車用のピンや画鋲
- 接着剤(パーツの補強用)
- ステンレス針金(支柱や固定に便利)
100均店舗によっては、これらのアイテムを一括で揃えることもできるため、1,000円以内で複数の風車を作ることも十分可能です。
モグラ退治に効果的な「ペットボトル風車」とは
ペットボトル風車の原理
ペットボトル風車は、風を受けて回転し、その振動が地面に伝わることでモグラを驚かせる仕組みです。モグラは音や振動に敏感であるため、こうした物理的刺激が一定の効果をもたらします。特に硬い地盤や湿った土壌では振動が広がりやすく、設置場所によって効果が異なる点にも注意が必要です。
加えて、風車の羽が風を受けてカラカラと音を立てることで、聴覚的な不快感も生じ、モグラの活動範囲を狭めることにつながります。
作り方:簡単3ステップ
- ペットボトルの側面を羽状に切り込み、外側に折り曲げる(4〜6枚が目安)
- ボトルの底や中心に穴を開け、割り箸に貫通させて風車として回転可能にする
- 割り箸を土に差し込む、もしくは竹串と針金を使って杭に取り付け、風を受けやすい位置に設置
道具の補強にはグルーガンや防水テープを使用すると耐久性がアップします。
設置のコツと注意点
- 日当たりが良く、風がよく通る場所に設置しましょう
- 数日ごとに場所を変えることでモグラに「慣れ」を防げます
- 固定が甘いと振動が地面に伝わらず効果が薄れます
- 高さを変えたり地面に接する角度を調整することで、より広範囲に振動を伝える工夫が可能です
特に、芝生エリアでは柔らかい土のため、しっかりと差し込むことが重要です。また、雨風に耐えられるように、素材の選定や補強を忘れずに行いましょう。
実際に使ってみた人の声と注意点
SNSやブログでの声
- 「数日でモグラ塚が減った!」(家庭菜園ブログより)
- 「手軽なのに効果を感じられた」(X投稿より)
一方で、「風が弱いとあまり回らない」「地中深くにいると効果がない場合もある」といった声もありました。万能ではないことを理解し、併用対策を意識することが大切です。
モグラ対策に役立つ他の100均グッズ

音や振動を使うグッズ
- 自転車用ホイッスルや風鈴を杭に吊るす:風が吹くたびに音が鳴り、モグラにとって不快な刺激となります。
- 空き缶やアルミ皿を紐で吊るして揺れるように設置し、風でぶつかるたびに金属音を出すことで地中への音波を伝えます。
- 100均のガーデン用ベルや小さなチャイムなども効果的で、軽風でも音を発するアイテムはモグラ除けに応用可能です。
- 竹やプラスチックパイプを地面に挿し、その中に小石や鉄球を入れておくと、地面の揺れや微振動で不規則な音が出て威嚇効果を発揮します。
においで寄せつけない方法
- ネギ類(にんにく・玉ねぎ)をトンネルに差し込む:強いにおいを嫌うモグラの習性を利用した手法です。
- 忌避剤(100均の園芸コーナーにある場合あり)を使う:粉末タイプやスプレータイプがあり、雨にもある程度耐える仕様のものもあります。
- コーヒーかすや木酢液を布に染み込ませてトンネルに入れる方法も家庭でできる自然なにおい対策です。
- 乾燥させたミントの葉やラベンダーなどのハーブをネットに詰めてトンネル付近に設置するのも効果があります。
効果を高めるために知っておきたいコツ
定期的なチェックと場所移動
モグラは学習能力が高く、同じ刺激に慣れてしまうことがあります。そのため、2〜3日に一度は風車の位置を変えたり、別の対策を加えることが重要です。
加えて、定期的にトンネルの出現場所を確認し、最も新しい通路に対して刺激を集中させることで効果が高まります。また、モグラの活動時間(朝夕)に合わせて刺激を与えることで、モグラがそのエリアを忌避する可能性が高まります。
併用すると効果的な対策例
- 捕獲器(農業資材店で購入可能)と風車を併用:物理的な駆除と予防を同時に実施することで、被害を最小限に抑えられます。
- 地中に杭を打って風車の振動をより広範囲に伝える:地盤の構造を活かして振動の波及範囲を広げることができるため、効果が安定します。
- 忌避剤を撒いたエリアと風車エリアを交互に配置することで、モグラの逃げ道を封じ、より強力な追い出し効果が得られます。
参考資料
- 農研機構「モグラ被害の実態と対策」
https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/laboratory/niaes/tech/040625.html
まとめ:手軽に始めるモグラ対策の第一歩
- モグラの被害は地中から静かに進行する
- ペットボトル風車は100均アイテムで簡単に作れる
- 音・振動・においの複合対策が効果的
- 効果を持続させるためには「慣れさせない工夫」が必要
- 本格的な対策が必要な場合は捕獲器や忌避剤も検討
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