はじめに:電動草刈機・芝刈り機ユーザー必見
ガソリン式に比べ、手軽でエコな電動式草刈機や芝刈り機が注目を集めています。中でもリチウムイオン電池を搭載したモデルは、軽量・高出力・繰り返し使用可能と三拍子そろった存在。しかしながら、「すぐバッテリーが劣化する」「交換が高い」といった声も少なくありません。

リチウムイオン電池って高価だから長持ちさせたいな



保管方法で寿命も延びるんだよ
特に充電式の機械は、住宅街や早朝作業にも適しているため、個人の庭や施設の管理者、プロの造園業者など幅広い層に普及しています。しかしながら、充電池の取り扱いを誤ると、性能が落ちたり思わぬトラブルにつながることも。
そこで本記事では、リチウム電池を長持ちさせる方法を中心に、電動草刈機・芝刈り機のバッテリー管理術を詳しく解説します。日々の使い方ひとつで寿命が1〜2年伸びることも。知らなきゃ損する実践的な情報をお届けします。
リチウム電池の基礎知識
リチウム電池とは?
特徴 | 内容 |
---|---|
エネルギー密度 | 軽量・高出力で持ち運びがしやすい |
メモリー効果 | なし(使い切らずに充電しても劣化しにくい) |
寿命 | 通常300〜500サイクル(1〜3年)で劣化が進む |
自己放電率 | 低い(長期間放置しても自然放電が少ない) |
草刈機や芝刈り機に使われるバッテリー仕様例
- 電圧:18V〜36V
- 容量:2.0Ah〜6.0Ah
- セル数:5〜10セル
- 重量:約500g〜1.2kg(モデルにより異なる)
これらのスペックは、使用時間・出力・本体重量に直結します。適正な機種選定と管理が求められます。
リチウム電池を長持ちさせるには?劣化要因を知る
高温
バッテリー内部が45℃以上になると化学反応が過剰になり、内部の電解液やセパレータが劣化。直射日光の車内などは特に注意が必要で、夏場の倉庫保管もリスクとなります。
過放電(0%まで使い切る)
バッテリー残量を完全に使い切ると、セル電圧が極端に下がり、再充電しても回復しにくくなります。電動工具に多い「完全停止まで使用」は避けるべき習慣です。
過充電(充電しっぱなし)
充電完了後もACにつないだままにすると、バッテリー内部の電圧が不安定になり、膨張や発熱の原因に。
急速充電の多用
便利な機能ですが、高電流での充電はバッテリーに負荷をかけます。必要なとき以外は通常充電を基本としましょう。


実践編|リチウム電池を長持ちさせる充電術
使い切らない、充電しすぎない
20〜80%を目安に充電・放電する「中間充電」が最も理想的です。これによりバッテリー内部の化学的負担を抑え、寿命を延ばす効果があります。
使わないときは涼しい場所に保管
保管温度は10〜25℃が適温。特に夏場は屋外に放置せず、風通しの良い日陰や屋内に置くのが望ましいです。湿度にも注意が必要です。
毎回の使用後すぐに充電しない
使用直後はバッテリー温度が上昇しているため、30分〜1時間ほど冷ましてから充電するのが理想。特に長時間稼働後は要注意。
長期保管は40〜60%の残量で
数ヶ月使わない場合は、満充電やゼロ残量ではなく中間値で保管。過放電防止のため、定期的に残量確認も行いましょう。
充電器は純正品を使う
互換品は過電流のリスクがあるため、メーカー指定の充電器使用が基本です。電圧・電流が合わない場合、充電エラーや過熱を引き起こすこともあります。
電動草刈機・芝刈り機ユーザーがやりがちなNG行動


NG行動 | 理由 |
100%まで毎回充電し続ける | 過充電状態が続くと、内圧上昇や電解液劣化の原因に |
使い切ってから充電 | 深い放電は電池の回復力を低下させる |
冬季や真夏に屋外で放置保管 | 温度ストレスによりセルの寿命が短くなる |
互換バッテリーでコストカット | 品質が不安定で、機器や自身への安全性に影響 |
汚れた状態で保管する | 接点腐食や漏電リスクが高まる |
バッテリー寿命を延ばすメンテナンスと工夫


月に1回は使う(動かす)
通電による内部活性化で電池の性能が維持されます。長期間放置すると、自然放電によりセルバランスが崩れることがあります。
雨天使用後は完全乾燥
水気や湿気が基盤や接点に残るとバッテリー接点腐食のリスクあり。乾いた布で拭き取り、風通しの良い場所で陰干ししましょう。
LEDインジケーターで残量確認
こまめに状態をチェックして、「ゼロまで使ってた」を避ける習慣を。最近のモデルはバッテリー残量を5段階で示すものも増えています。
予備バッテリーを交互に使う
毎回同じバッテリーだけ酷使すると劣化が偏るため、2本を交互に使うのがおすすめ。休ませることでセル内のバランスも整います。
長寿命バッテリー採用のおすすめ製品
マキタ 18Vシリーズ
- 高耐久セルを採用し、バッテリーの劣化が少ないと評判
- インジケーター付きで残量管理しやすい
- 対応製品が多く、共通運用が可能
HiKOKI マルチボルト
- 自動冷却ファン搭載で、充電中の発熱を抑制
- 高出力機にも対応しつつ寿命が長い
- 36Vでも軽量設計で扱いやすい
リチウム電池の保管温度と時間の関係
保管期間 | 推奨保管温度範囲 |
---|---|
1ヶ月 | -20°C ~ 45°C |
3ヶ月 | -20°C ~ 35°C |
1年 | -20°C ~ 25°C |
出典: リチウムイオン電池を保管するための5つのベストプラクティスcmbatteries.com
まとめ:草刈機・芝刈り機のバッテリーは“使い方”が命
リチウム電池を長持ちさせるには、充電方法と保管環境がカギです。ちょっとした工夫で寿命が1.5〜2倍になることもあります。特に日々の「ちょっとした意識」が大きな差につながります。



充電式の草刈機や芝刈り機を長く愛用するには、「ただ充電する」だけでなく、賢く、適切にバッテリーを扱う意識が大切です。あなたの1台が、何年も元気に活躍し続けるために、今すぐできることから始めましょう。
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