夏に芝生が枯れる原因と対策|暑さや日照不足に負けない芝を育てる

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水やり頻度の誤りで夏に芝生が枯れる

夏の暑さが厳しくなると、芝生の水やりはとても重要なポイントになります。よくある失敗のひとつが、日中の暑い時間に水をまいてしまうこと。実はこれ、芝生にとってはあまり良くありません。水がすぐに蒸発してしまったり、葉に残った水滴が太陽の光でレンズのような働きをして葉を焼いてしまったりするんです。

水やりは、朝の早い時間か夕方の涼しい時間帯に行うのがベスト。特に深く根が張っている芝生ほど、たっぷりと水を与えて地中の20センチほどまで染み込ませるのが理想的です。砂地の庭なら、水分が抜けやすいので腐葉土やバーク堆肥を混ぜて保水力を高めるとよいでしょう。

最近では、自動で水やりできるスプリンクラーやスマホ連動の散水タイマーなど、便利なアイテムも増えてきました。これを使えば、忙しい方でもムラなく水やりができます。ただし、初期費用や機器のメンテナンスについても事前にチェックしておくことが大切です。

芝生の様子をよく観察して、葉が丸まっていたり、色が薄くなっていたり、踏んだあとがなかなか戻らなかったりしたら、水が足りていないサインかもしれません。芝生の種類によって水を必要とする量も異なるので、自分の庭の芝に合わせた水やりを心がけましょう。

病害虫対策を怠ると夏に芝生が枯れる

夏になると、芝生のまわりにさまざまな虫が出てきます。例えば、コガネムシの幼虫は土の中で芝の根っこを食べてしまうため、気づいたころには広範囲にわたって芝が枯れてしまうことも。踏むとフワフワした感触があるなら、要注意です。

また、シバツトガやヨトウムシなど、地表近くを荒らす害虫も多くなります。病気も同様に、気温と湿度が高くなると、葉にシミが出たり、赤く焼けたように変色したりする症状が目立ちます。

そうしたトラブルを防ぐには、殺虫剤や防除スプレーをうまく使うのが効果的。ただし、製品ごとに使い方やタイミングが異なるので、芝生用と明記されたものを選ぶことが大切です。天然成分のニームオイルや木酢液を使った方法も、環境にやさしくておすすめですよ。

日々の手入れで大切なのは、芝の状態をよく観察すること。「なんとなく色が悪いな」「虫が多いな」と思ったら、早めに対処しましょう。芝生は意外とデリケートですが、少し気にかけるだけで元気に育ってくれます。

日照不足が原因で夏に芝生が枯れる

日当たりって、芝生にとってすごく大事な要素なんです。特に夏場は、1日4時間以上の直射日光がないと、芝の色が薄くなったり、成長が止まってしまったりします。庭の中で日陰になる場所って意外と多く、木や家の影が長く伸びると、そこだけ芝が元気を失うことも。

そういう場合は、周りの木の枝を剪定したり、配置を変えたりすることで日差しを確保できることがあります。また、最近は反射板や白い砂利を使って、少しでも光を届ける工夫をしている方もいます。

もしどうしても日当たりが改善できないなら、日陰に強い芝の品種を選ぶのも手。トールフェスクやセントオーガスチングラスなどは比較的強く、明るい日陰でも育ちやすいです。それでも難しいようなら、部分的に人工芝を取り入れるのも選択肢になります。

芝生を育てる上で、日当たりの記録をつけてみると意外な発見があるかもしれません。季節によって影の位置が変わるので、夏と冬で芝の元気さが違う…なんてこともありますよ。

肥料不足が夏に芝生が枯れる原因となる

芝生は、ただ水をあげていればいいというわけではありません。成長期の夏には、栄養もたっぷり必要なんです。特に大切なのは、窒素・リン酸・カリ。この3つのバランスが崩れると、芝が黄色くなったり、弱って病気になりやすくなったりします。

でも、肥料をたくさんまけばいいというわけでもありません。やりすぎると「肥料焼け」を起こしてしまって、逆に根が傷んでしまいます。特に液体肥料は効果が出るのが早いので、慎重に量を守って使いましょう。

初心者におすすめなのは、ゆっくり効いて長持ちする緩効性肥料。IB化成やマグアンプKのような製品は扱いやすく、芝生全体にまんべんなく効果が行き渡ります。さらに、魚粉や油かすといった有機肥料を使うと、土壌の状態もよくなって一石二鳥です。

最近では、葉の上から直接スプレーするタイプの栄養補助剤も人気。暑さに弱った芝に元気を与えてくれます。どんな肥料を使うにしても、「少しずつ・こまめに」が大事なコツです。

夏に芝生が枯れるのを防ぐ総合管理法

以下に、夏に芝生が枯れる主な原因と対策を簡潔にまとめた表をご用意しました。さっと確認したいときにぜひご活用ください。

原因主な症状対策方法
水やり不足葉が丸まる、色褪せ、踏んだ跡が戻らない朝か夕方にたっぷり水やり。スプリンクラー活用も◎
病害虫の発生枯れや変色、ふわふわ感、シミ芝生用殺虫剤や防除スプレー。ニームオイルなども有効
日照不足色が薄い、成長が遅い、密度が減る枝の剪定や反射材、日陰対応品種や人工芝検討
肥料不足黄色くなる、成長が悪い、病気になりやすい緩効性肥料や有機肥料を適量で定期的に与える

芝生を元気に保つには、季節ごとの管理がとても大切です。春にはエアレーションやサッチングといった更新作業をして、土の通気性を良くしておきましょう。夏は特に水やりと芝刈りに気を配る季節。芝が伸びすぎたり、逆に刈りすぎたりすると、根にストレスがかかって枯れてしまう原因になります。

芝刈りは週1〜2回、刈る高さは全体の1/3以内を目安に。夏は特に高め(40〜50mm)に設定すると、強い日差しや乾燥から芝の根を守ることができます。使う芝刈り機も、刃がよく切れるものを選んでください。刃が鈍っていると、芝を引きちぎってしまって傷むんです。

エアレーションや目土入れも年に1〜2回は行いたいところ。根に酸素が届きやすくなり、芝全体の健康状態が良くなります。農研機構などの研究でも、定期的な手入れを行った芝は枯れにくく、病害虫にも強いというデータがあります。

「芝生の手入れって難しそう」と感じるかもしれませんが、コツを掴めばそんなに大変ではありません。まずは、自分の庭に合ったやり方を見つけることから始めてみてください。

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この記事を書いた人

私は業界大手の草刈機メーカーで14年間、カスタマーセンターに勤務し、ディーラーやエンドユーザーへの製品紹介や修理・メンテナンスアドバイスを担当してきました。現場で培った知識を活かし、各モデルの特長や最適な使用環境、トラブル解決策をわかりやすく解説。機械操作の基本から応用テクニックまで、初心者からプロまで安心してご活用いただける情報を発信します。趣味は庭いじりで年間数百平方メートルの芝生管理経験あり。各種エンジンオイルや刈刃の選定基準、トラブル時の対応、季節別メンテナンススケジュールも提供。ユーザー視点を大切に、役立つ情報を丁寧にお届けします。

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